手間暇かける幸せ |
急いで家を出たため
スマホを忘れて仕事先に。
電車のなかで気づいたが、あとのまつり。
周囲のひとたちが、
常にスマホ(または携帯)に目をやるか
指をこまめに動かしている。
それを見ていて、
焦りはさらに頂点へ。
仕事先で仲間から
「あれ?メールしたのに?」
と言われ、
いやあ、忘れてしまって・・・。
結局、その日は
落ち着かないまま帰宅した。
私も、いつの間にか
しっかり「依存症」になっていた。
そんな大昔の話ではない。
まだ私などはアナログの時間を生きていた方が長い。
にも、関わらず、この有様だ。
先の大地震の際に、携帯が繋がらず
公衆電話を探した、という話しを聞いた。
すっかり、その存在さえ忘れていたのに。
でも、私自身がすでに公衆電話はどこ?
とつぶやく始末。
部屋を見まわして思った。
まず、この整理のつかない山積みされた本。
棚に押し込まれた
レコード(いまだにレコードも聴く)とCD。
従って、レコードプレイヤー一式
(さすがに、スピーカーは小さいものに替えた)。
そして、あまり使わなくなってはいるが
FAX付きの電話機・・・。
少し前に、
仕事仲間の若い奴~
自分の子どもぐらいの歳
といってもも不思議ではない~の
部屋にお邪魔したことがあったが
私の部屋とはあまりにも対照的なので驚いた。
電子書籍にしたという彼の本棚(らしき物)には
昔購入した数冊の本と雑誌がパラパラとあるのみ
(雑誌も、電子書籍に替えたという)。
そして、音楽をよく聴いているのに
やはり昔購入したというCDが数枚あるのみで
いまは全てパソコンのなかだという。
もっぱら、音楽はスマホから聴いているのだとか。
それでも、FAX付きの電話機くらいは・・・
と思ったが、家に電話なんて置きませんよ、
とあっさり言われた。
仕事用のパソコン一台があれば十分事は足りる、と。
確かに、そういう時代であり
そういう社会なのだ。
でも、と、ジジイである私は言う。
手間暇かけることが幸せ!
ってことだって、あるンじゃないか?と。
店主の淹れてくれる珈琲だって
一杯一杯、手間暇かけてるから旨いのだ。
それをカウンターでボ~っと眺めてる私。
その、なんともいえない
アナログの時間さえ愛おしいのだ。
いや、言うまい。
いまは、ただ単に愚痴にしか聞こえない。
そう言えば、と思い出した。
こんなCMが流行ったのはいつ頃だろう?
でも、こんなアナログだった時代だからこそ
素敵なストリーがいくつも生まれたような・・・
いまは、こんなすれ違いは生まれない。
本日も、ご来店、ありがとうございました。
店主に代わりまして、お礼申し上げます。
明日も川越観光にお出かけの際は
ぜひ「大正館」でお休みください。