小村雪岱 |
洋画(油彩画)ばかりに興味が向き
日本画は敬遠しがちだった。
ところが、ここ数年、
ようやく日本画もいいものだ、
などと、その魅力に気づきはじめた。
食わず嫌いだったのか、
それとも年齢がそうさせるのか。
いずれにしても
あまり自慢できる話題ではない。
古本屋を覗くのが好きだ、と
以前ここに記したが、
必ず見る棚のひとつに画集のコーナーがある。
もっとも、
欲しいと思うものは高価なものが多い。
もともと新品の定価が高いのだから
それよりは安価には違いないが、
それでも、と貧乏人の私は購入するまで
迷いに迷い、その大半は諦めざるを得ない。
そんなこんなの繰り返しだが、
どこの古本屋を覗いても
懲りずに毎回その棚を探しては
欲しい画集はないものかと物色する。
話しが逸れたが、
つい最近、やはり某所古本屋の棚で
ある人の画集を見つけ、
珍しく一瞬の迷いもなく購入した。
それは、小村雪岱(こむら・せったい)という
明治生まれで
大正・昭和期に活躍した日本画家の画集である。
たまたま、あるテレビで
作家・泉鏡花の本の装丁をいくつか紹介していた。
そこに描かれた絵は、
なんともいえず、しっとりとした
日本情緒漂う静かな画風なのだ。
そのくせ、
泉鏡花の妖しい魅力を十分に引き立たせていた。
それを手がけたのが小村雪岱だった。
お恥ずかしいが、初めて聞く名前で
忘れないように
すぐさまメモを取った。
その画集が
いきなり目の前にあったのだ。
これはまさに“縁”あっての出会いだ。
単純な私は思わず小躍りして
それを棚から引き抜きレジへ駆け込んだ。
しかし、画集といっても
彼の絵のほんの一部を紹介しただけの
簡単な本である。
でも、そのせいで
価格も廉価であったのがなにより嬉しかった。
さて、実は、本題はここからである。
家に帰り、画集を繰りながら
ネットで彼について色々調べてみたら、
なんと、
「明治20(1887)年、埼玉県“川越”に生れる」
とあるので、古本屋での驚き以上に
転げるほど驚いた。
勿論、私が無知だったということで、
ご存じの方は、今更なにを驚いて、と言うだろう。
偶然、彼をテレビで知り、
偶然、彼の画集を手に入れてみたら、
これである。
ただただ興奮してしまうのを
どうか笑わずに、ご理解いただきたい。
そして、調べてみてもっと驚いたのは
彼以外にも、川越出身の画家が大勢居たことだ。
いやはや、まったくもって
今までなにを偉そうに
川越についてべらべらと語ってきたことか。
「穴があったら入りたい」とはこのことだ。
まあ、残念ながら
川越には“吉見の百穴”のような場所はないので
せいぜい「大正館」の奥のテーブル席にでも
うずくまるしかないが。
以下に詳しいサイトを見つけたので記しておく。
私のいい加減な説明を聞くより確かである。
▼川越の人物誌4(画家1)
http://www.maroon.dti.ne.jp/kwg1840/jinbutu4.html#consettai
本日も、ご来店、ありがとうございました。
店主に代わりまして、お礼申し上げます。
明日から、川越を語るときは謙虚な気持ちになろう。
でも、店主は知っていたか?知らないだろう、まさか。
▼小江戸川越イベント情報(G.W.のイベント情報はこちらで!)