一番電車 |
夜が明けたら、
一番早い電車に乗るわ~♪
こう歌って、一世を風靡したのは、
2010年に亡くなった歌手の浅川マキだ。
仕事柄、地方に出ることが多いので、
やはり僕も一番早い電車、
つまり、最寄り駅の始発を利用する。
一年のある時期は、
頻繁にそれを利用するので
なんとなく始発を利用する客の顔を
覚えたりするものだ。
駅のホームや、電車に乗り込んだときに
見知った顔に会うと
どことなくホッとするから不思議だ。
思わず、「おはようございます」と
声をかけそうになる。
でも、こちらがいうほど、あちらの方では
「誰?」となるのだろう。
通勤帯で出会うひとたちより
どことなく
それぞれに人生を背負っているような、
ちょっとワケあり風に見えたり
より人間味がある風に見えるのは
単なる僕の偏見なのか・・・。
そういう自分だって、
ワケあって、こんな早い時間にホームに立ち
一番列車に乗るのだから
ひとのことをどうこう言えたものじゃないけれど。
ただ、最終電車は
仕事に追われたり
遊び疲れたひとたちでいっぱいなのに
なぜか、始発電車は
寝むそうな顔をしつつも
どこかに朝一番の雰囲気が纏いついていて
くたびれ果てたひとのそれとは
あきらかに違うものがある。
素晴らしい朝を迎えて乗り込むのか
哀しい思いを断ち切るように乗り込むのか
それとも、僕のように
否応なしにそれに乗り込むのか
いずれにしても、
始発電車には、
誰にとっても終わっていくのではなく
始まっていくための
“これから”が待っている。
さて、明日の朝も、
缶珈琲を片手に
始発に乗り込むことにしよう。
本日も、ご来店、ありがとうございました。
店主に代わりまして、お礼申し上げます。
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