レコード人気再燃 !? |
某夕刊紙の見出しに
こんな記事があった。
「レコード人気再燃」。
アナログレコードの人気が
再燃している、のだそうだ。
中古レコードを扱う店や、
レコードを聴かせるカフェに
幅広い世代が集まっている、
とも書かれている。
特に、レコードも
それを聴くための機器さえ
見たことも、触れたこともない
若い世代にも注目されているとか。
以前にも、このブログで
そんなレコードのことを記した気がするけれど
なにか、マスコミとか
それに関わる業界人が
妙に煽っているような気もするけれど。
だいたいが、
僕もマスターも
音楽を聴くのはレコードで、
まずは、それありきの話は
ごくごく当たり前すぎて
それについてどうこう話題になることなんて
まったくなかった。
むしろ、CDなんて出てきた時には
びっくりしたし、
これからそれに取って代わる、なんて
考えもしなかったのだから。
しかし、考えてみると
これに限らず
「昔はよかった」的なことは実に多い。
そして、そのほとんどが
僕らの世代にとっては、ごくごく日常にあった
(行われていた)ことばかりだ。
だけど、冷静に思い出すと、
例えば、このレコードというやつも
その扱いが面倒だった。
ホコリが溝に付かないように、
手垢や指紋が残らないように、などと
慎重さを要し、
ベルベットが貼られた拭きとり専用のパットや
レコードスプレイなども用意していた。
また保管も、かなりのスペースを必要とした。
レコードプレイヤーも
定期的な針の交換が必要なため
維持費もかなりかかった。
さらに、そのレコードの音源を外で聴くなら
テープやMDに録音しなければならないのだから
ほんとうに面倒なことばかりだった。
その点、CDは、扱いも気にせず、保管も楽だし
そのまま外でも聴けるのだから
なんとも有難い。
もっとも、いまはそのCDさえも不要だけれど・・・
それは、また別の話。
まあ、そんなものかもしれない。
過ぎた昔は、みな美しい・・・か。
いや、もしかしたら、
過去の世界の方が、
ひととして生きている
という感覚のようなものが
動物としての、生身の人間に
ふさわしいのかもしれない。
時代と共に少しずつデジタル化していき、
本来アナログであった人間のサイクルから
どんどん遠ざかっていっているような、
そんな気がする。
だから、「昔はよかった」になるのか?
そうそう、珈琲もどんどんインスタント化され
廉価で、簡単に飲めたりするけど
こればかりは、
やっぱり、ゆったりと流れる時間と共に
一口、一口、味わって飲みたいものだ。
そう思うと、
その昔、珈琲を味わうとき、
レコードをターンテーブルに乗せ、
ゆっくりと針を落とす
その時間の流れによく似会っていた。
つまり、人間はロボットではないので
当然デジタルとは無縁の存在ということだ。
本日も、ご来店、ありがとうございました。
店主に代わりまして、お礼申し上げます。
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