旅に唄あり |
作詞家の岡本おさみ氏が、
去る11月30日に、
心不全で亡くなっていたことが分かった。
享年73・・・と。
僕にとっては、
この方も、あの十代の頃に出会い
影響を少なからず受けたひとりだ。
岡本おさみ氏といっても
どれほどの方がわかるだろうか。
おそらく、リアルタイムで彼と同時代に居ても
ほとんどマスコミに出ることのなかった彼を
すぐさま認知できる方が多いとは限らない。
作詞家としては、
これはご存知の方も多いと思うが
吉田拓郎氏とのコンビでヒットさせた『旅の宿』や
森進一氏が歌い、
日本レコード大賞を受賞した
『襟裳岬』の作詞家といえば、
そーなんだ、とわかる方も居るかと。
もちろん、それ以外にも
たくさんの歌づくりに貢献してきた。
十代の頃、彼を知った僕は
彼の“詞”を、「文字」としても随分読んだ。
そんななか、
唯一、彼の随筆というのか、エッセイというのか
『旅に唄あり 』(1977年・八曜社)
という彼の著作に出会い、
ますます、岡本おさみ氏のことが好きになった。
この訃報に際し、
遺族で岡本氏長男の岡本くにひこ氏が
メッセージが寄せている(原文のママ)。
「生前に父の執筆活動に力を貸してくださった方、
作品を愛しんでいた方々、
父に代わりましてこころより御礼申し上げます。
岡本おさみの執筆はここで終わりを迎えましたが、
彼が残した作品は永遠に生き続けます。
引続き変わらぬ想いで
作品と触れ合っていただければ幸いです。
私たち家族は、
静かに笑って日々が落ち着くのを待とうと思います」。
それにしても、本当に、本当に
僕らの世代の青春期に出会い、
それぞれに影響を受けた先達が
ひとりひとりと居なくなり、
ひとつの時代が、確実に終わったのだと
認めざるを得ない。
いまは、静かに、そう・・・
謹んで、お悔やみ申し上げたい。
本日も、ご来店、ありがとうございました。
店主に代わりまして、お礼申し上げます。
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