子規とベースボール |
一般的には、
昨日(3日)から明日(5日)までがGWだ。
確か、去年はこのブログでも
大正館の常連でもおなじみの
写真家・M.Hoshi氏らと、お隣の狭山市にある
「智光山公園」に行った。
やはり、GWは近場で安く過ごすに限る。
それでも十分に楽しかった。
まあ、今年は(も?)予定なしで、
ここのところ記しているように
テレビ三昧の日々だ。
もちろん、今日も同じだが、
中でも4月から開幕したプロ野球の観戦も
テレビでの楽しみのひとつ。
贔屓チームの話をし始めると長くなるので
敢えて止めておくが、
テレビ観戦中に十数年前の、
やはりGWの日のことを思い出した。
当時はまだ会社員だったせいか
GWは楽しみな休みで、
前から行きたかった場所へ出かけた。
それは、後楽園の東京ドームにある
「野球殿堂博物館」だ。
日本で唯一の野球専門博物館として
一度は覗いてみたい博物館だったからだ。
余談だが・・・
本来は、東京ドームで野球観戦ができれば
なお良かったのだけれど
ちょうどその時に贔屓チームの試合はなく、
(これだけは言っておくが)
アンチ巨人の我が身として
まったく球場には用がなかったのだ(苦笑)。
で、そのタイミングで
どうしても見たかった理由のひとつに
俳人・歌人の正岡子規(1867-1902)が
なんと2002年に
<特別(新世紀)>枠とやらで
野球殿堂入りを果たしたのだ。
そのレリーフが館内に飾られていると聞き、
どうしても見たかったのだ。
正岡子規については、
何も今さらここで述べることはないだろう。
そして、彼が無類の野球好き、ということも
既に周知のことと思う。
野球を題材とした短歌、俳句を数多く詠み、
「野球(のぼる=ノ・ボール)」
の雅号も使っていたくらいだ。
殿堂入りの顕彰文にはこうある・・・
「明治17年、東京大学予備門時代に
ベースボールを知り、
野球に熱中したといわれる。
22年7月には、
郷里の松山にバットとボールを持ち帰り、
松山中学の生徒らにベースボールを教えた。
23年2月、『筆まかせ』の雅号の項に
「野球」が初めて見られ、
幼名「升」から(のぼーる)と読ませている。
29年には「日本」新聞に連載された
『松蘿玉液』の中で野球のルール、
用具、方法などについて
くわしく解説している。
野球を詠んだ短歌、
俳句も数多く見られ、
新聞や自分の作品の中で紹介し、
野球の普及に多大な貢献をした」。
そして、こんな句がひかれて記されている。
「久方のアメリカ人の
はじめにしベースボールは
見れど飽かぬかも」
「今やかの
三つのベースに人満ちて
そヾろに胸の打ち騒ぐかな」
僕の好きな文豪のひとり
夏目漱石の友人でもあったことや、
司馬遼太郎の小説
『坂の上の雲』にも登場するとあって
彼のことは、その昔ちょっと調べたのだ。
そこで、もうひとつ余談ながら
(今やご存知の方も多いと思うが)、
彼はここ川越にも来ているのだ。
1891(明治24)年、埼玉県下を旅した折に、
川越で一夜を過ごしているのだ。
その句碑が残っているが、その句碑のある場所は
当時彼が宿泊した「今福屋旅館」があったという。
句碑には、その宿で詠んだ
「砧うつ隣に寒き旅寝かな」の句が刻まれている。
ぜひ、川越観光に出向いた際には、
立ち寄ってみて欲しい。
さて、GWもあと実質は2日間。
それでは皆さん、
それぞれに素敵な思い出が残せますように!
▼野球殿堂博物館
http://www.baseball-museum.or.jp/index.html
※写真上:
神田順治著『子規とベースボール』ベースボールマガジン社 (1992刊)
ほか、岩波文庫版正岡子規著作
写真下:「野球殿堂博物館」で購入した『プロ野球ポスター』パンフレットより
本日も、ご来店、ありがとうございました。
店主に代わりまして、お礼申し上げます。
▼大正浪漫夢通りサイト
http://www.koedo.com/index.html