特撮だった!?「仮面の忍者赤影」 |
いまは、古いテレビ番組のほとんどが
自由に観られる時代だ。
僕が小さい頃観ていた子ども向けの番組も、
いくつかを除いてはそのほとんどが
いま鑑賞できるようになっている。
最近では、CS放送で一挙に全話が放送された
「仮面の忍者 赤影」もそのひとつ。
僕が小学校の3、4年生だったろうか、
その当時学校でも仲間うちでも人気の番組だった。
ところが、記憶というものは曖昧なもので
いろいろな意味で
「え~?そんな番組だったっけ・・・」と
思うことが多かったことに驚かされた(笑)。
原作である漫画版「仮面の忍者 赤影」は、
漫画家・横山光輝(1934~2004)の作品で、
飛騨の国の忍者・影一族の赤影(主役)と、
若い忍者・青影という二人の忍者が
悪い忍者軍団と戦う物語が描かれている。
その漫画の実写版として制作されたのが
テレビ番組『仮面の忍者 赤影』で、
主役の赤影(坂口祐三郎)、
若い(少年)忍者・青影(金子吉延)に
漫画でも登場はするが、
忍者・白影(牧冬吉)の三人で物語が進む。
放送されたのは、
1967(昭和42)年 – 1968(昭和43)年とある。
一年間・52話も続いていたことさえ
まったく記憶になかったけれど、
一番驚いたのは、いま放送されている番組に
「特撮」という冠がついていたことだ。
確かに、懐かしさと共に驚かされたのは
まさに「特撮」というだけあって
“ウルトラシリーズ”か、と勘違いするほどの
多くの怪獣たちが登場し、城から村から山々まで
こなごなに破壊し大暴れすること。
そればかりか、UFOもどきの円盤まで飛び出し
空中戦まで繰り広げるありさまだ。
巨大なガマ(カエルの怪獣)は
なんとなく覚えているが、
え~~そこまで出てた?そこまでやった?と、
まるで初めて観るような感じだった。
漫画版では、わりと正統な忍者ドラマだったのが
全篇この調子なので、
彼らも空を飛ぶは、怪獣は倒すは、
円盤にも立ち向かうは・・・と、
時代が変われば、スーパーヒーローと
科学特捜隊といってもいいくらいの活躍だ。
もちろん、
これらはテレビ版を否定しているわけではない。
観たかったテレビ番組のひとつと言いながら
そこまでの記憶が全くなかったという
情けなくも、恥かしい話だということだ。
赤影のイメージばかりが先行して
肝心の内容は頭から飛んでいたのだろう。
おそらく、それは僕だけの感想かもしれないが・・・。
ちなみに、その後、主役を務めた
赤影役の坂口祐三郎さんは
赤影のイメージが強くて、
なかなか他の役に恵まれず不遇の時代が続いたという。
そして2003年、62歳で病死してしまった。
青影を演じた金子吉延さんは、
1955(昭和30)年生まれというから
ほぼ僕と同年齢だから、
主役よりも思い入れが強かったかもしれない。
彼は名子役として、
ほかにもテレビや映画でも活躍していた。
でも、23歳で俳優業は引退。
ただ、現在も仕事に支障のない程度に
いくつかの作品に出ているとか・・・
※金子吉延オフィシャルサイト“だいじょ~ぶ”
http://www.asahi-net.or.jp/~jd3t-kkc/
白影役の牧冬吉さんはその後も役者として、
時代劇を中心に随分活躍していたが、
1998年に67歳でやはり病死したという。
僕が子どもの頃は、
「忍者」ものというジャンルが確立されていて
男の子なら誰もが一度はハマったものだ。
いまは、もうその存在さえ消滅しつつあるのかも。
それにしても、
記憶が曖昧だったお陰で
新鮮に「赤影」のドラマを楽しめるのは
喜ぶべきことなのか、はて・・・。
本日も、ご来店、ありがとうございました。
店主に代わりまして、お礼申し上げます。
▼大正浪漫夢通りサイト
http://www.koedo.com/index.html