「無言館」から善光寺へ -2 |
11月下旬某日。
大宮駅を07:18発の新幹線あさま601号に乗り、
08:28に上田駅へ到着。
すぐさま友人の運転する車で30分ほど走り、
戦没画学生慰霊美術館「無言館」を訪れた。
――と、ここまでが前回の話。
「無言館」をあとにして、
同じく窪島誠一郎氏が運営する「信濃デッサン館」に向かった。
「無言館」から車で数分の位置にあるが、
やはり初めて訪れる方にはわかりづらいかもしれない。
そういう意味では、
今回お二人の友人のお陰で迷わずに移動できた。
と、その前に、美術館に隣接する
「前山寺」に足を向ける。
(正確にいえば、「信濃デッサン館」が
当寺に隣接されているのだが~笑)。
「前山寺」とは、観光案内によれば
空海上人が護摩修行の霊場として開創したと伝えられ、
境内には重要文化財の三重塔などもあるりっぱなお寺だ。
そして、その観光名物のひとつとして
多くの観光客に喜ばれている
「くるみおはぎ」という、
ちょっと珍しい“おはぎ”を頂くことができる。
但し、人気のためか注文は全て予約によるもので、
実はこの寺に足を向けたのも、
友人のI君が
その「くるみおはぎ」を予約しておいてくれたからだ。
早速、我々は寺に上がり込むと
お客様専用の奥座敷に通された。
きちんと二列に並べられた膳に座りこみ
目の前を眺めると
ガラスのはめ込まれた障子の向こうに
うっすらと雪化粧をした塩田平が一望できる。
なんと風情のあることか。
もう、これだけで十分満たされる。
しばらくぶりに彼らと雑談を交わす。
詳細は語れないが、
彼らは川越に縁がある。
先に記したI君は私より十歳ほど若いが
いま長野市にある印刷会社の社長をしている。
そして、川越の私の実家へも訪れたことがあり、
その際少しだけ街中を車で走ったことがあるのだ。
これはまた別の話だが、
大正館のカウンター脇に飾られている
店主や我々の若い頃の写真の中心にいる人物にも
関わってくれて、
彼の会社で刷ったチラシを大正館に貼らせてもらったことがある。
それは、もう十年以上前の話だが。
さらにもうひとりの友人C君も、
やはり十歳ほど若いが、当ブログでもかなり前に触れたと思うが
I君の会社で、私の父が出版した二冊の本創りに一役かってくれた。
その彼は、かつてあることがきっかけで、
小江戸川越へは何度も訪れたことがあるという。
ふたりとも、川越に懐かしさを覚えてくれていて、
また行きたいとまで言ってくれた。
勝手ながら、その折りは大正館や姉妹店の紅茶館で
存分におもてなしをしたい(笑)。
そんなこんな話していると
「くるみおはぎ」が運ばれてきた。
これは、味わったことのない旨さで、
これを目当てに来るという観光客の気持ちも理解できる。
おはぎにして、“おはぎ”にあらず、か。
膳いっぱいに並べられた料理もよいが
一皿に込められた至福の時間を味わうのも良いものだ。
それから山門へ戻り、
隣接する「信濃デッサン館」の作品群に触れ、
昼前に上田を離れて一路、彼らの住む長野市内へ向かった。
さて、珈琲一杯にどんな価値を見いだすかは
あなた次第ですが、
どうぞ、今日も素敵な一杯を!
――本日のブログ担当は、(今回も) 小さな旅さんでした。
▼大正浪漫夢通りサイト
http://www.koedo.com/index.html