☓☓ロス!? |
ここのところネットはもちろん、
テレビや新聞・雑誌等の媒体でよく見聞きするのが
「逃げ恥ロス」とか「真田丸ロス」。
これは、もう下手な解説は不要でしょう。
この“○○ロス”って言い方だけど、
当たり前に見聞きするようになったのは
それほど昔の話じゃないように思う。
一般的な言葉になったのはこの十年余りじゃないかな。
個人的な記憶の話だから定かではないけれど、
最初にそれらしき言葉を聞いたのは
「ペットロス」というもの。
文字通り、可愛がっていたペットが亡くなり、
その哀しみをなかなか埋められない、
そんな人たちの心情を表すのに使われたはず。
もともとは、
<ロス=失った悲しみ>という感情が回復できず
いわゆる精神的な疾患として起こる
「ロス症候群」から発生した言葉だと思うけれど、
最近のそれは、どうもちょっと違って、
もっと軽いノリというか、
本当に精神が病むというより、
あるもののファンであることを共有する者たちが
それを失った感情を端的に表す言葉として
手ごろというか、容易に理解しやすい
共通言語として使用しているようだ。
先に挙げた
「逃げ恥ロス」、「真田丸ロス」などは
まさにそれで、
もう観られない!ということから、
そんな言葉で表しているけど
振り返れば、数年前に
同じくドラマ終わりと共に「あま(ちゃん)ロス」とか、
つい最近でもドラマ上で人気の役者が亡くなると
「五代(※役柄名)ロス」なんて言ったりして。
なかには、
シンガーソングライターの結婚に
「福山ロス」なんていうのもあった。
そう考えると、
昔はそんな便利な言葉がなかったから、
お気に入りのテレビドラマが終わった後の
空しさ、哀しさは
それを観ていたごく限られた仲間たちの間だけで
ひっそり共有するしかなかったわけだから、
いまのように全国の“ロス”仲間と共有するなんて
それだけでも幸せなことじゃないかと思う(笑)。
それに、昔は再放送でもしなければ
永遠に見られないテレビドラマが無数にあった。
でも、いまは
すぐにDVD化されるは、
オンデマンド放送などネットで手ごろに観られるは、
CS放送などもあるから
“ロス”の期間も短くて済む。
「昔のテレビドラマだって、今は観られるじゃないか」、
なんていう声が出そうだけれど、
それは確かにそういうものもあるけど、
中にはそういう類に属さないものがあって、
当時観た限り、おそらく二度目はないな、
と思えるものもあるからなんとも悔しい。
恐らく版権の問題が一番だと思うけれど、
視聴者からの要望がない、つまり
一部のマニア以外からの需要がないとか、
そんなドラマを思い出すと、
ああ、あの当時、せめてビデオテープでもいいから
何か個人的な媒体に残せるシステム(機器)があったら、
なんて・・・。
それこそ、よくあの当時は“ロス”症候群で
精神を病まずに克服してきたな、と感心さえする(爆)。
横道に逸れついでにひとつ挙げれば、
1981年1~4月にかけて日本テレビで放映されていた
市川森一脚本による『ダウンタウン物語』。
出演は桃井かおり、川谷拓三、岡田茉莉子、市原悦子
西田敏行、夏目雅子、佐藤浩一・・・
今思えば錚々たるメンバーだ。
場所は横浜の港町、
下町にあるスナックと貧しい教会を中心に
港町酒場の歌手と貧乏牧師の前途多難な2人の恋物語だ。
なんとも異国情緒(雰囲気)があり
おしゃれな洋画的な物語だったように記憶している。
これが終わった時は、確かに“ロス”がひどく、
市川森一著の脚本本や
サウンドトラック(レコード盤)を購入して
なんとか“ロス”を克服したものだ(笑)。
でも、カタチあるものはいずれ“ロス”が来る。
そのたびに、きっと感情がより豊かになるのだろうな、
なんて思わなきゃ、やってられないでしょ!
さて、来年はどんな“ロス”があるのでしょうね、
楽しみなような、避けたいような・・・。
▼ドラマ主題歌
『バイバイ子守唄 ―ララバイ―』 歌:桃井かおり(作詞・作曲:荒木一郎
さて、珈琲一杯にどんな価値を見いだすかは
あなた次第ですが、
どうぞ、今日も素敵な一杯を!
――本日のブログ担当は、Los Angeles(ロス!?)さんでした。
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