読んでから見るか、見てから・・・ |
先日、当ブログに掲載されていた
松本清張さんのことを読ませて頂き、
それならば、と今回〈横溝正史〉さんのことを
書かせて頂こうと思いました。
最初にお断りしておきますが、
わたしはその道の専門家でも、横溝さんの
熱烈なファンといえるものでもないので、
過度の期待など持たれませんよう、お願い致します(苦笑)。
せいぜい、当大正館で珈琲を飲む
わずかな至福の時間を
横溝本でも読んで頂けたら、と思ったまでです。
わたしも、実は松本清張さんのことを書かれた方同様に
映画がきっかけで読み始めました。
それまで、恥かしいことながら
〈横溝正史〉という作家さんのお名前さえ
知りませんでした。
わたしが高校生の頃でしょうか、
1976年に角川映画で
市川崑監督作品『犬神家の一族』が公開され、
“読んでから見るか、見てから読むか”という
角川書店の広告コピーが流行りました。
そしてわたしは、見てから“読んだ”のです。
正直言えば、本の内容は複雑で
映画ほどスッと頭に入らなかったように記憶しています。
それでも、なにか独特な文章の感覚には
妙にクセになるというか
ハマった部分もありました。
その後、金田一探偵モノの映画は
封切になるたびに観に行きました。
もう、それもン十年も前の話ですが。
それが、先日「昭和世代さん」が担当したという
松本清張さんの当ブログを読み、
急に本棚に眠っていた横溝作品を出してきて
夜な夜な読みふけっていたのです。
すると、
なんとも言えない、あの独特な世界観に
再びのめり込んで行き、
当時の感覚を思い出しました。
最初の一行目から、
読み手を、一気にその世界に誘います。
それも無理なく、さも現実の世界の出来事のように。
本を読むのは好きな方なので
読書は普通にしますが、
ここ数年の、いわば流行となる作品は
最初の一行から入り込むのに
よほどの心構えのようなものが必要で
すんなりその世界に浸ることがなかなかできなくなりました。
もちろん、わたしのような年輩者には
理解しづらい作品が多いせいかも知れませんが。
松本清張さんや
横溝さんのように、いまブームなどならなくても
やっぱり面白い作品は残っていくように思います。
それとも、面白いと感じるのは
わたしのように古い人間で、
気付けば自然淘汰されてしまうのでようか。
そうならないことを願うばかりですが・・・。
もし、よろしければ、
松本清張さん同様に
横溝作品も、大正館店内で読んで頂ければ幸いです。
どうぞ、ゆっくりその不思議な世界に
浸ってみてください(失礼しました)。
さて、珈琲一杯にどんな価値を見いだすかは
あなた次第ですが、
どうぞ、今日も素敵な一杯を!
――本日のブログ担当は、“飲みながら読む”さんでした。
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