「結」作品集から |
ひょんなことで知り合いになった
和風似顔絵工房「結」の鈴木正道さん。
その鈴木さんが今年1月、
これまで氏が描いてきた作品を一冊の画集として
上梓されました。
遅ればせながら、つい先日忙しいなか
送って頂きました。
そこで、素人の私が氏の作品について
あれこれ評論めいたことを言うのはできないので、
あくまでも個人的な作品への感想として記させて頂きます。
鈴木さんは、川越に工房を持ち、
現在画家として活躍中です。
ここに至る氏の特異な経歴や
現在の様子などはホームページなどでご覧頂き
今回は省略させてもらいます。
★和風似顔絵工房 「結」HP ☞ http://nigaoe-yui.com/
はて、勝手に“画家”と称したものの
作品の印象や氏の生活振りなどからいえば、
「絵師」という言葉が似合うように思います。
私が知る(観る)限り、
氏の描く作品のモチーフは〈生命あるもの〉たちです。
それも、氏に制作を依頼される方の
ごくごく身内の〈生命あるもの〉たちです。
従って、
私のように作品の依頼者を全く知らない、
大げさに言えば無関係な第三者にとって、
本来特別な感情を抱くことはありません。
しかし、不思議なことに
氏の作品を眺めていると
その作品を通して、その全く無関係だった
依頼者の人生が近づいてくるように感じます。
それも、決して不快ではなく、
むしろそっと、静かに寄り添うように。
気づけば、おそらく依頼者がそうであるように
一緒にほほ笑んだり、時に涙したり・・・。
「結」という名前の由来が、
ひととひと、こころとこころを結びつけるという
そんな意味合いのことをおっしゃっていましたが、
まさに、この不思議な感覚がそうではないかと思えます。
そうして、もうひとつ。
これは作風がそうさせるのか、
それこそ私には理解できませんが、
どの作品も「静」ではなく「動」に観えます。
もちろん、作品の中の〈生命あるもの〉たちは
そのフレームのなかではだれもが静止しています。
佇むものも、躍動するものも、
絵画である以上はそれが当たり前であり、
アニメーションのような動画は存在しません。
それが、私には、氏の作品中のだれもが
次の動作をするように見えて仕方ないのです。
黙って佇むものも、
いつか手を差し伸べたり、
躍動するものたちは、あきらかに次の動きを
画面をはみださんばかりに仕掛けてきたり。
個人的なことでいえば、
作品集のなかに旧知の
沖縄物産店「真南風」の新井さんを描いた作品もありましたが
これなどは新井さんの屈託のない笑顔や
ユーモラスな対応と共に
「いらっしゃい」という明るい声まで聞こえてきます(笑)。
つらつらと勝手気ままなことを書き連ねてきました。
「それ、ちょっと違うんじゃないですか・・・」などと
鈴木さんにお叱りを受けるかもしれませんが
あくまでも素人の感想とご勘弁頂ければ幸いです。
最後に、
「絵画」という表現方法は理屈ではなく、
感情の部分で捉えるものなので
どうしても好き嫌いが明確に出ますが、
それを承知で
とにかく一度、多くの皆さんに
鈴木さんの作品をじっくりご覧頂きたいと思います。
さて、珈琲一杯にどんな価値を見いだすかは
あなた次第ですが、
どうぞ、今日も素敵な一杯を!
――本日のブログ担当は、塀に落書きさんでした。
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