空を眺めていますか |
昨日は川越もうっすらと雪景色。
今日は一転、青空に様変わり。
寒さは厳しいものの、
やっぱり太陽がのぞくと
気持ちも晴々としてくる。
さて、青空といえば、
いま北海道でカメラマンをしている
友人のUを思い出す。
彼は、大学から東京に出てきて、
こちらで就職し、しばらく同じ職場で一緒に働いていた。
プライベートでも
音楽の話し、本の話し、映画の話しなど
互いの趣味も合ったせいか同じ時間を過ごした。
それに、
当時彼が住んでいた板橋や成増界隈で
おいしい珈琲の飲める、
雰囲気のある喫茶店はないものかと
よく二人で探し歩いたほど、
彼も珈琲好きだった。
そんなこともあり、「大正館」にもよく顔を出していた。
従って、店主ともなじみになり、
その後いろいろと接点もできたのだが、
十数年前に思うところがあり、北海道へ帰郷してしまった。
その彼が、ライフワークのように撮り続けているのが
「空」の写真だ。
彼のはからいで北海道へは何度か遊びに行くようになり
仕事でも出かけているので、
北海道を、そんなに遠いと感じたことはないが、
「空」の広さと眩しさに触れると、
私の住むところからは遙かに遠い世界のような気がする。
彼が地元に帰ってまもなく、
時間も忘れるくらい永い間、
大地に寝そべったままシャッターを切り続けたという
「空」の写真を送ってくれた。
二度と同じ表情をみせることのない
その瞬間だけの「空」を
幾枚も、幾枚も・・・。
それらの「空」は、
空以外のなにものでもないのに
ここにはない空があった。
だから、「空」が恋しくなったら、
その写真たちを眺めることにしている。
たとえ、どんなにどんよりとした重い気分でいても
そこに写る眩いばかりの、
突き抜けるような「空」たちは
私の気持ちを徐々に吸い込み
いつしか気持ちを晴々とさせてくれる。
そして、なによりもその写真たちは
日常でせわしなく動きまわる私に
まあ、珈琲でも飲みながら、
頭上の「空」をゆっくり眺めてみろよ、
と語りかけてくれる。
あなたは、ときどき
「空」をながめていますか?
最近、Uは家族の、
とくにお嬢さんの写真を撮ることが増えた。
それでも、お嬢さんの背景には
いつも眩しいくらいの青い「空」が広がっている。
本日も、ご来店、ありがとうございました。
店主に代わりまして、お礼申し上げます。
明日も寒さは続きそうですが、当店では珈琲一杯で心まで温めます。
(※写真提供:Takuya U.)
▼シマノコーヒー大正館HP
http://www.koedo.com/taisyoukan/