川越のこと |
やはり川越について書かなければなるまい。
私自身、いまでこそ川越を離れた場所に生活の拠点があるが
生まれも育ちも川越である。
いまは観光地で賑わう川越だが、
その昔は、喜多院でさえ遊び場のひとつであり、
境内を囲む掘りの一部に自転車で滑り込んだりしたものだ。
しかし、観光地となって、
やたらテレビや雑誌などで川越が紹介されると
川越とは無縁の土地の友人や知人たちから
ぜひ案内してくれないか、と言われるようになった。
ところが、である。
いざ案内してくれと言われても、
どこへ連れていけばいいのかわからないのだ。
仮に、名所・旧跡(だろう)と思う場所に連れだしたところで、
説明を求められたら、なにもわからない。
昔よく遊んだ場所だ、では納得しないだろう。
そんな私に、川越云々を語る資格など、正直いえばないのだ。
ある日、「大正館」で中学時代の同窓生に会った。
この店の常連さんのおひとりと聞いて、
その偶然の出会いにうろたえた。
なにしろ、勉強はできない、素行も悪い、という
あの当時の私を知る人物であり、
しかも相手はトップクラスの優秀な女子である。
だが意外にも、彼女は当時の私をすっかり忘れたのか、
この再会を喜んでくれた。
そんな出会い方はさておき、
彼女のお名前は、龍神由美さんという。
その経歴は・・・これもさておき、
川越の風土や歴史など
事細かくご自身で調べ歩き
すでに三冊も川越についての著書をお持ちと聞いて、
さらにうろたえてしまった。
そう、私のいい加減な川越話しにつき合うより
まず、その著書『川越今昔ものかたり(全3巻)』
を精読されるといい。
さもなくば、
川越について、または忘れていきつつある川越の、
いや日本の暮らしというものについて
日々の生活を中心におきながら
わかりやすく綴っている彼女のブログがあるので
そちらもお勧めする。
(※リンク:ユラーナの川越暮らし・・・から)
現在、仕事や雑事に追われ、
ブログはお休み中とのことだが、
これまでにアップされている内容に目を通すだけでも
川越について
深い知識と理解を得ることができるだろう。
そして、私がそのブログを拝見するたび、
もっとも感心するのは
日々の暮らしを、実に“ていねい”に生きているということ。
雑な私には到底真似のできないことだが
何気ない日常のなかで、ひとつひとつの出来事に対し
ほんとうに“ていねい”に接することが
ひととして大切なことじゃないか、と教えられる。
もし、当店で偶然にも彼女に出会えたら、
川越について気軽に尋ねてみたらどうだろうか。
聡明でありながら、気さくな性格の彼女のこと、
どんなことにも、
“ていねい”にこたえてくれるはずだ。
本日も、ご来店、ありがとうございました。
店主に代わりまして、お礼申し上げます。
明日から週末にかけ、天候も不安定とか・・・
でも当店の珈琲の香りと味は、いつもおだやかです。