Lonesome Car-boy |
ライ・クーダーの音楽を聴いていたら、
「LonesomeCar-boy」に憧れた
懐かしい昔のことを思い出した。
「LonesomeCar-boy」と聞いて、ピン!とくるひとは
すくなくとも50歳代以上だろう。
30年ほど前は
マイカーで自分の好きな音楽を聴くことは
容易なことではなかった。
いまの若い連中には何のことやら?だろうが、
なにしろマイカーに備え付けた機器で、
好きな音楽を走行中に聴くことが一般的になったのは
1980年以降のことだ。
それまでは、とりあえずラジオがあれば十分だったし、
どうしても聴きたい音楽があれば、
“ラジカセ(ラジオカセットレコーダー)”を車内に持ち込むか、
「8トラ」という、ビデオテープみたいにデカイ
カセットテープとその再生装置を購入して
フロント部分に取り付けるしかなかった。
そうした不自由な時代を乗り越えて、
ようやくカセットテープを手軽に再生し、
車で聴ける時代が来たということは
当時の若者たちにどれほどの夢を与えたことか。
で、そうした機器を搭載できたら、
次にやることは、同世代の者なら
絶対に経験があると思うが、
そのためのソフト、つまり、音楽テープを
録音、編集して、オリジナルの1本を作ることだ。
これが、彼女とドライブ中に聴こうなどとなったら
そりゃあもう、力の入れかたがまったく違う。
今のようにデジタルでポンッ!と簡単に仕上がらない。
やたら時間だけはある大学生なんて
テープ作りだけで一日以上かけるなんていうの
ごくごく当たり前だった。
そんな時、ラジオから流れて来た
パイオニアというメーカーの
カーステレオ「Lonesome Car-boy」のCMは
やたらカッコよかったのを覚えている。
ナレーションが、当時流行作家だった片岡義男。
音楽は、なんと、あの“ライ・クーダー”。
ライ・クーダーの姿をこれほど
テレビ、雑誌、ポスターなどで観たのも初めてだった。
街はすでに遠く、昨日は、はるか彼方にあった。
国境へ、ロンサムカーボーイ。
余談だが、このカッコいいコピーは
その頃、売れっ子コピーライターの秋山晶さんで、
この人にも(仕事にも)憧れたものだ。
ただ、ひとつ残念なことながら、この「Lonesome Car-boy」、
高価なもので貧乏な若造には
そう簡単に買えるものではなかった。
そんな懐かしい時代を思い出させてくれた
ライ・クーダーの音楽だが、
実は、マイカーに備え付けられている
CDデッキから流れて聴こえてきたものだ。
いまでは、もうオリジナルCDを作ろうなんて
そんな気はさらさら起きないし、
それどころか、
音楽さえ流さずに運転することも多くなった。
本日も、ご来店、ありがとうございました。
店主に代わりまして、お礼申し上げます。
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