絵巻物 |
▲小学館発行「原色日本の美術(第8巻)『絵巻物』」より
若い頃は、
あまり美術的な視点で観なかった。
正直、興味の対象外だった。
それが、この数年、ことあるごとに
敢えて探しては、なにを差し置いても
眺めるようになった。
それは、いわゆる「絵巻物」という奴だ。
▲小学館発行「原色日本の美術(第8巻)『絵巻物』」より
絵巻物(えまきもの)は、
日本の絵画形式の1つで、
横長の紙(または絹)を水平方向につないで
長大な画面を作り、
情景や物語などを連続して表現したもの。
「絵巻」とも言う。
絵画とそれを説明する詞書が
交互に現われるものが多いが、
絵画のみのものもある。―中略―
紙(まれに絹)を横方向に順次つないで、
水平方向に長大な紙面を作り、
終端に巻き軸をつけ、
収納時には軸を中心にして
巻き収めることができるようにした
装丁形式を「巻子装」(かんすそう)と言い、
このような装丁で作られた書物、経典、
絵画作品などを「巻子本」、
より一般的には「巻物」という。
―――「ウィキペディア」より抜粋
絵柄を観れば、恐らく、「ああ、それか!」
と頷けるほど、誰もが見知っている絵だ。
それが、なぜか、ある時に
それをじっくり鑑賞する機会があり、
その時に、その表現や技巧の素晴らしさや
物語性の高さに改めて感激したのだ。
一枚の長い紙に描かれた
当時の人々の生きざまや
文化や出来ごとなどが、
まるで今にも動き出す
動画のように見えてきたのだ。
以来、大げさに言えば
その魅力にとりつかれた。
そう言えば、
「川越市立博物館」の広報誌というのか
『博物館だより(第20号)』の
平成9年版に
「文政9年氷川祭礼絵巻」という記事を見つけた。
なんでも、その絵巻がひょんなことから
海外に流出し、現在は
「ニューヨークパブリック ライブラリー」
の所蔵品となっているとのことだ。
詳しくは下記のPDFをご覧頂きたいのだが、
ぜひ、本物を観たいものだ。
※川越市立博物館『博物館だより(20号)』PDF
☞http://museum.city.kawagoe.saitama.jp/ippan/pdf/20.pdf
写真のない時代に
写実的な絵画がその役割を担ったように、
映画(動画)のない時代に
流れるような情景描写を
絵巻物が担っていたのではないだろうか。
そう思うと、
なにか、その時代のアーチストたちの方が
いまより遙かに想像力にも
創造力にも長けていたように感じる。
本日も、ご来店、ありがとうございました。
店主に代わりまして、お礼申し上げます。
▼大正浪漫夢通りサイト
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