ことば・パフォーマー |
むかし憧れたり、好きだった
いわゆる文化人というか、
アーチストというか、
そういうひとのことを思い出す。
つい先日も、なぜだか急に
あるパフォーマーの存在を思い出した。
そのひとは、
“ことばパフォーマー”で
女優のはせ・みつこ(波瀬満子)さんだ。
もう20年くらい前になろうか、
いまは北海道在住のカメラマンで
友人のTakuya U.君の影響もあり、
少し真面目に「詩」のことを考えようなんて
思っていた時期があって、
色々と「詩」の周辺を探っていたら、
偶然、このひとにぶつかった。
初めて見たのは、確か、
NHK教育テレビじゃなかったか。
詩人の谷川俊太郎氏の詩を朗読するのだけれど
それが、ただ読み上げるというのではなく
からだ全体を使って、
詩に、「ことば」に、
まさにメロディーがあるように
全身でそのメロディーを奏でるように
詩を朗読していた。
感化されやすい、単純な僕は
一発で彼女の、そのパフォーマンスに惹かれた。
それからは、気にかけてTVに出演するたび
彼女のパフォーマンスを楽しんだし、
彼女が監修し、
それをテキストに使用していた本
『しゃべる詩あそぶ詩きこえる詩』(冨山房)を
購入するなど、ある時期、
ずっと追いかけていた。
その彼女のことを何十年振りかに
本当に突然思い出しので
最近はあまり活動を聞かないな、と思い
ネットで彼女のことを検索してみた。
はせ・みつこさん、
本名・白波瀬智子。
京都生まれ、東京女子大卒。
劇団四季・仮面座を経て、
1977年、詩人谷川俊太郎らと
「ことばあそびの会」を設立。
以来一貫して““ことば・パフォーマンス”の
道を歩き
詩やことばあそびをステージ構成し、
表現するというジャンルを確立。
彼女のプロフィールにはそうあった。
そして、その末尾に
「2000(平成12)年4月19日、
急性じん不全のため死去、享年81歳」
と記されていた。
その最後の行の追記に愕然となった。
まったくその事実を知らなかったことと、
なにより、
あれほど日本語の「ことば」をわかりやすく伝え、
しかも大切に扱っていたひとがいなくなってしまった
そのことへの喪失感に、だ。
久しぶりに、あのパフォーマンスを観たいと
Youtubeを探したけれど
結局、1本しか見当たらず、残念でならない。
それにしても、なぜ、急に
思い出しのだろう・・・。
本日も、ご来店、ありがとうございました。
店主に代わりまして、お礼申し上げます。
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