「シナリオ」本を読んでみませんか |
連日の雨模様で気分も晴れない。
まあ、そんな時こそ
落ち着ける馴染みの喫茶店で
ゆったりと珈琲を飲みたい。
で、時間があれば、
本の一冊でも抱え、
珈琲を味わいながら
ゆっくりとページを繰りたいものだ。
ということで、本屋に立ち寄り
あれこれと物色していたら
シナリオ(戯曲)本が目にとまった。
きっかけは忘れたけれど
もう随分むかしのこと、
シナリオ本をまとめて読みはじめて
気づいたら、短期間で結構の冊数を買いこみ
一気に本棚三段分くらいを占めてしまった。
その後、あまり面白くないものは処分したけれど
今も気になると買い込むので
トータルすれば
その当時より圧倒的に増えている。
そんなことはさて置き、
最初は、普通の小説などとは違うので
なかなか読むのにも苦労した。
それでも、シナリオ特有の用語などを覚えたり
仕組みを知れば、
難解な小説を読むより、むしろ早く読める。
そして、これは最大の楽しみでもあるけれど
小説とはまた違う“想像”力が試されるし
それを広げていくことで
味わいが読むたびに変わってくるのだ。
小説などは、よく行間を読む、などというけれど
シナリオの行間にはト書きがあり、
実際のセリフが続いていく。
それも、どんなシーンで、
どんな心情で、どんな言い方をするのか、
それが細部まで指示されていたり、
または読み手(演じ手)が作者の意図を読み取って
さまざまな解釈ができるのだ。
まるで、自分が演出家になったような気分にも、
また一登場人物になったような気分にもなれて
妙な楽しみ方を発見できる。
シナリオ(戯曲)というと、
どうしても「演劇」のものを思い浮かべるし
ひと昔まえは、その分野のものが多かったけれど
いまはテレビドラマや映画のそれも
一般にでまわっていて
簡単に入手できるから目にする機会も多い。
国内のそれから
海外の翻訳本まで
しかも過去のものから現代のものまで含めたら
本当に数限りなく存在する。
「無声映画」のシナリオは
どんな書き方をするのだろう?とか、
洋画(英語)のシナリオって、どんなものだろう?
などと思って探したら、
小津安二郎監督作品のシナリオ集を見つけ
それを見ることができたし、
一時期、洋画のシナリオ(英語版)が出版されていて
それも確認することができた。
勿論、これは、あくまでも
個人的な楽しみ以外の何物でもないけれど・・・。
もっとも、
僕の友人で、舞台俳優を生業にしている
友人・Seiji H.氏の台本(戯曲)などを見ると、
全ページにわたり、
びっしり赤や黒字の書き込みがあり、
何度も何度もページを繰ったせいか
舞台が開ける前日などには
ボロボロの状態になっている。
そんな台本を見ると、
同じシナリオを読むにしても
暢気に珈琲をすすりながら
あれこれと勝手な想像をして楽しむのとは
かなり事情が違ってくる。
でも、心配することはひとつもない。
僕自身がそうだけれど、
間違っても「演じる」側にならなければ、
まず、そういう状態になることなど
断じて一生ないことだから。
本日も、ご来店、ありがとうございました。
店主に代わりまして、お礼申し上げます。
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