小泉“KYON2”さんのこと1 |
ふらっと立ち寄った本屋の新刊本の棚で、
こんな本を見つけて買い込んだ。
助川幸逸郎著
『小泉今日子はなぜいつも旬なのか』(朝日新書)。
まさに、この著書のタイトルと
同じことを考えたことがあるからだ。
先に断っておくけれど
僕自身は小泉今日子さんの熱烈なファン
といえば、嘘になる。
かといって、まったく興味の対象外か、と
聞かれたら、いやいや、大いに関心がある、
それどころか
歌手というより、演技をする役者として
もちろん女性としても、好きだ!と
宣言してもいいくらいだ(笑)。
実はデビューした頃、
僕はすでに成人していたせいか、
16歳くらいの彼女に
まったくといっていいくらい興味がなかった。
ところが、僕のなかで
「小泉今日子」という人物に
関心を持った、あるテレビドラマがあったのだ。
1984年に日本テレビ系列で放送された
倉本聰脚本のテレビドラマ
『昨日、悲別で』という番組をご存知だろうか。
簡単にいうと、
北海道・悲別町(架空の町)出身の若者が
東京と故郷の仲間と繰り広げる物語だ。
主役の竜一役を天宮良、そして相手役が
女優の石田えり、ほかに
故郷の駅舎で駅員を演じたのが
通称“駅長”こと布施博、
天宮の母親・春ちゃんに五月みどりなどという配役だ。
ドラマの詳細はさておき、
実はこのドラマのなか(第4回放送)で
こんなやりとりを交わす場面がある。
結婚を前日に控えた
“駅長”こと布施博が式当日に失踪する。
それを探し出した天宮が理由を問いただすと、
前夜、天宮の母親(五月みどり)と
飲み屋で交わした会話が原因だったことがわかる。
それを回想するカタチで天宮に話す“駅長”・・・
二人が居る飲み屋の壁には
小泉今日子のポスターが貼ってある。
それにちらっと目をやる駅長。
駅長「そんとき、オラはどうゆうわけか
キョンキョンのことを考えちまってた」
竜一「キョンキョン?」
駅長「キョンキョンよ、小泉今日子」
―中 略―
駅長「そうか、そうするとキョンキョンも(中略)
オラとめぐり会う可能性もある」
<倉本聰脚本より抜粋>
前夜、竜一の母親・春ちゃんに
このまま結婚していいのか?
人口の半分は女なんだから、などと
勝手な理論を展開するなかで
いろいろな出会いの可能性があるのに
ひとりに決めてしまうのはどうか?と。
それを聞き、
駅長は、そうか、まだ自分も
結婚をしていなければ、
キョンキョンと出合い、ひょっとしたら
結婚だってできるかもしれない
などと壁のポスターを見つめながら夢想するシーンだ。
当然のことながら、
この番組には小泉さんは出ていない。
声だけの出演さえない。
ショートヘアで笑顔の彼女のポスターと、
交わされる会話のなかに
小泉今日子、キョンキョンとあるだけだ。
放送されていた当時、僕自身、
このテレビドラマの主人公たちと
ほぼ同年代だった。
そんなこともあり、
このシーンでのやりとりは
鮮明に記憶に残っている。
そして、あろうことか
僕自身も、まったく“駅長”と同じことを
勝手に夢想してみたのだ。
ひょっとしたら、小泉今日子とも、
なにかの拍子で出会えるんじゃないか、
あわよくば、飲み友だちくらいには
なれるんじゃないか、と。
いま思えば、なんとも恥ずかしい限りだが。
このドラマを見た日以来、
なんとなく小泉さんのことが気になりだした。
―――ということで、本日はここまで。
本日も、ご来店、ありがとうございました。
店主に代わりまして、お礼申し上げます。
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