映画音楽~またはレコードの想い出 |
もちろん、お金などなかったからシングル盤(レコード)だ。
確か、中学一年生だった。
レコードというものを自分で買えるようになり、
川越市内の、本川越駅近くで、
自分の家からも一番近いレコード店で買ったのだ。
なぜ、映画音楽だったのかといえば、
小学6年頃から怪獣映画や東映動画から卒業し、
川越スカラ座の“おとな(?)”の観る映画にハマり、
そんなことから自然と映画音楽が身近でしっくりきたのだ。
ちなみに、いわゆるポピュラー音楽への興味はまだ低かった。
それからしばらくの間は
レコードを買うといえば
とにかく映画音楽のコーナーにしか目が向かなかった。
実は、その後一年も経たないうちに
ポピュラー音楽へと嗜好がシフトし、
映画音楽のレコードを買う回数が減っていくのだけれど、
だからって、全く購入しなくなったワケではない。
映像と共に記憶に残る素敵な映画音楽が沢山あり、
映画を観た想い出に、という意味もあった。
当時はビデオさえ個人で持つような時代じゃないから、
良かった映画はパンフレットや、
映画音楽を買って頭のなかのスクリーンで
楽しむ以外にはなかったということもある。
ときに下世話な事でいえば、
ガールフレンドと観た映画などは、
その映画音楽のレコードを買ってカセットテープに録音し
彼女とのドライブ中に流して
あざとくも映画の感想を何度も語り合ったり、
特に感動した映画のそれは彼女にプレゼントさえした。
ところが、いつからか
映画音楽自体が既存のポピュラーソングを利用したものや
CMとタイアップして映画とは別にヒットしたり、
なんとなく映画そのものから離れて存在しているように思い、
少しづつ興味が薄れていった。
またその頃は、ちょうどレコードが衰退しはじめ、
CDに代わる次期でもあった。
またビデオデッキが安価で入手できるようになり、
好きな映画がテレビ放映されれば、
それを録画し、個人的に繰り返し観ることが可能になった。
もちろん、ガールフレンドと観た映画も
簡単にレンタルしたり、購入して
二人で無言のまま画面を眺めることも・・・。
かつて、お気に入りの映画音楽を聴きながら
自分の頭の、想像のなかのスクリーンに映像を映しながら
楽しんでいたことも、
彼女と映画についてとめどもなく語ったことも、
現実に存在した時間ではなかったような気がしてくる。
当然のことながら、いま自分自身も
個人的に多くの映画を録画し、
または購入し、好きなときに、好きなように
繰り返しお気に入りの映画を楽しんでいる。
でも、そんな自分も、時々
昔購入したレコードを引っ張り出し、
ジャケットに描かれた名場面を眺めながら
既に古ぼけてしまったが
頭の中のスクリーン映し出しては
通り過ぎていった多くの想い出と共に
懐かしさに浸っている。
さて、珈琲一杯にどんな価値を見いだすかは
あなた次第ですが、
どうぞ、今日も素敵な一杯を!
――本日のブログ担当は、Soundtrackさんでした。
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